音楽とお笑い

2023年03月30日 10:00

こんにちは!

今日は、音楽とお笑いについて語ってみたいと思います。

お笑い好きな人、手を挙げてください‼︎

記事を読んでくださっているあなたさんはいかがでしょうか?
日頃お笑いは観ますでしょうか?

テレビはもちろん、今ではネットでいつでも
楽しいコントや漫才を観ることができますから、
きっと好きな芸人さんがいらっしゃる方もかなり多いと思います。


私はまさに、ザ・ドリフターズさん世代。
毎週欠かさず番組を観て育ちましたし、気づいた時にはお笑いを観ていました。

ちなみに実は、私の亡き父親、物心ついた時には近くにいなかった破天荒な父親は、元、ザ・ドリフターズさんのメンバー、荒井注さんと仲良しで、私は生まれた時に、荒井さんに抱っこしてもらった経験があるそうです。(母から聞いていますが、赤ちゃんだったので記憶なし。)なので、ラッキーなことに赤ちゃんの時からお笑いの洗礼を受けたと思っています。笑

自然とお笑いは、日常の楽しみとして観ていましたが、音楽で舞台のお仕事をするにつれて、MCの大切さ、芸人さんの凄さにいつも感銘を受け、尊敬していました。

今では、清塚信也さんのようなスペシャルピアニスト貴公子もいらっしゃいますから、普通に感じているかもしれませんが、演奏が上手いのは当たり前ですが、クラシック界で、トークも上手くて、そしてクラシックに興味のない人までをも惹きつける面白さがある演奏家なんて、そう多くなかったように思います。

でも、そりゃそうです。
人を笑わせるって一番難しいですから‼︎


クラスや職場、友達や知り合いの中で面白くもても、万人にウケるわけではありません。

お笑いは、緻密に計算された起承転結のあるネタと表現力、キャラクター、話し方が全てできないとならない難易度が高いものだと思っています。


5年前に、自己プロデュース、演出で初めて大所帯のリサイタルコンサートを開き、ミニオーケストラまで結成し簡単な台本と演出をしながら出演をしました。

それまでも何度か、自分でコンサートやイベントをアレンジすることはありましたが、ここまで大規模は初めてでした。
その中で、共演した役者さんに面白いシーン、お客様が
フッと笑える瞬間のオペラ舞台にしたくて、セリフを付け加えました。

実際にビデオで本番をチェックしたところ、そのセリフに少しのざわつきと笑いが起きたので、とても嬉しかったですし、こちらの伝えたい、一瞬の息抜きのような笑いの間ができて、それによって後半のシビアな内容、悲劇の結末がより締まったように感じました。

そこで改めて、『きちんとお笑いを学びたい。』と
思い、40代を超えてからその世界に飛び込みました。


そうは言っても、【オペラを面白くもっと興味を持ってもらうための活動をしたい】、とか【お笑いをお笑いの有名なあの事務所の養成所に入って学んでみたい】とか、【自分のまだ見ぬ可能性に挑戦してみたい】と言う気持ちは、実際に養成所に入る10年前からありました。

ずっと悩んでいたんです。


芸人経験がある、親友のご主人様に相談したり、
実際に芸人をしている方に聞いてみたりと、色々情報を集めて、オープンカレッジにも行きました。
でも、1年間また想いを寝かせて、その後やっぱり!と
飛び込んだのです。


時々ですが、幸いオペラネタで、有名な憧れの芸人さん達とも舞台やテレビでご一緒させていただいていますが、まだまだ修行中です。

そんな、実際の舞台や収録、オーディションから学ぶことも多く、生徒さんにも自分の経験から音楽にも通づる勉強になることをお伝えすることも多々あり、
生徒さんも興味深々で実践してくださっています。


お笑いと音楽の融合は、それこそ、ザ・ドリフターズの皆さんがチャレンジされ続けていたことかと思います。

共通することがたくさんあるんです。


例えば、オペラアリアの1曲の中には、作曲者の想いや
役柄の解釈、感情、曲を歌う上での緩急や強弱、間、
盛り上がりがどこなのか、どんなふうに聞き手に見せていきたいか、そして衣装やお芝居、表情と色々とやることがありますが、お笑いも同じだと思うのです。

私は司会も長年経験してきましたので、他のMCさんとの違いを差別化として考えた時に、

『歌う様に喋ろう』

と、常に考えて独自のMCとしての空気感を作る様にしてきました。
それと逆で、『歌は、喋るように』という持論があります。

お笑いで考えてみても、3分や5分の1曲を演奏をする様に盛り上がりや間を作るのが大事なように思います。
と言っても、なかなかこれ!となるネタは難しいところですが。笑


演奏で言うと、それを逆に考えて、ここでどう聞かせたら効果的に盛り上がりを聞かせられるか、ということを考えるのが大切だと思っています。


ジャンルは違えど、違う視点から物事を考えたり捉えるのは新しい発見も多く、面白いものです。



先月、二期会のオペラ『トゥーランドット』で、私も大好きなチームラボさんとのコラボ舞台があり、東京文化会館に行きました。その時も感じたのですが、時代に合わせて変化する大切さ、伝統を伝統として残す大切さ、両方のバランスを考えさせられました。

賛否両論だったようですが、斬新で非常に画期的、
素晴らしい舞台でした。


チームラボには何度も足を運んでいて、幾何学的な世界観がなんとも芸術的。
以前、お台場のチームラボに行った時、ライトと音楽で魅せるお部屋があり、その時にクラシックと融合したら面白いなぁと思ったのですが、まさに、その照明と生のオーケストラ、また、歌手、劇場の熱気が相まって、鳥肌が立ちました。


新しい融合、まだ見ぬ世界は広いなと感じました。


私は今、お笑いをしている若い世代、お笑い好きの若い世代の方々に、オペラというものが面白いもの、と
少しでも興味を持っていただいて、本物のオペラを
生涯に一度でも、劇場で体験してほしいと思ってこの活動をして、私自身も発展途上中です。

芸人としてオペラを伝えはじめて3年が経ち、色々な大先輩の舞台や番組、また大手企業さんのラジオCMやネットCMの声入れなど、お仕事をさせていただくこともあります。
まだまだこの歳で新人の身ですが、自身の活動として、音楽と共に挑戦を続けていきたいと思っています。

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