こんにちは!
江東区の声楽とピアノ教室、東京オペラコミックの栗林です。
昨日は、観たかったMETライブビューイングで
世界初演オペラ、『めぐりあえた時間たち』を
鑑賞してきました。
METライブビューイングオペラによく行かれる方もいらっしゃるかとは思いますが、はじめて聞く!という方に、せっかくなのでご紹介です。
世界のオペラ劇場の中でも、最高峰と言われているアメリカ、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(通称は、METです)で公演されるオペラを
映画館の映像で楽しめる、オペラのエンターテイメントです。
公演の始まる前や、幕間では、ナビゲーターの方が本番前の歌手にインタビューをしたり、公演について紹介をしてくれたり、また、舞台裏を見れるシーンも登場するという、まさにオペラファン、舞台好きにはたまらないシリーズです。
シーズンごとに様々なオペラを入れ替わり見ることができ、なかなか見れないオペラ歌手の細かい表情や演技、見方によっては声に関する顔の表情筋や体の使い方なども勉強になる巨大スクリーンで観れるオペラです。
なんと言っても、豪華絢爛、METの本格的オペラをお手頃な価格で観れますので、是非おススメです。
こちらが、METライブビューイングサイト
https://www.shochiku.co.jp/met/about/
気になった方は是非観てみてください。
さて、そんなMETオペラでは、新作も続々登場していて、今回は世界初演の作品でした。
私も大好きな、ソプラノ歌手のルネ・フレミングはじめ、ケリー・オハラ、ジョイス・ディドナートという豪華すぎるDiva達。
今回の作品は、マイケル・カニンガムの原作で
ピューリッツァー賞にも輝き、2003年に日本でも公開された映画『めぐりあう時間たち』を元に作られた新作オペラ。
最初、どんな風に展開されるのか、ハラハラしながらのあっという間の175分オペラでした。
作曲は、ケヴィン・プッツ。数々の賞を受賞されている才能溢れる作曲家です。
また、舞台『となりのトトロ』を演出したフェリム・マクダーモットの演出。
そして、指揮は、METの音楽監督ヤニック・ネゼ=セガン。
歌手はもちろんのこと、オーケストラ、合唱はじめ、音楽も演出もダンサーさんたちの振付も
何もかもが素晴らしい、情熱的かつ、現代においてどストレートに、ダイレクトに胸に突き刺さる作品で、映画館の周りからも啜り泣く声が。
私に至っては、嗚咽しそうなほど、泣いてしまいました。
現代オペラって、音楽の解釈や聞き方も難しいと思われているし、私も詳しいわけではないのですが、この作品においては、何度も見返したい、
また機会を見つけて、生で観たいオペラでした。
三人の女性がそれぞれが違う時代生き、違う場所で、それぞれの愛に向き合って、さらにもがき苦しみながら、葛藤しながらも今を生きていくという作品です。違う時代、場所に生きているかと思いきや、その三人に起きている出来事を同時に覗くことができ、最後はその三人が統合する、という、この舞台ならではの見せ方ではないかと
感動しました。
そして、最後には、私たちはここに生きているんだ、という現実を突きつけられるも、観ている誰もがみな悩みを抱えながら毎日を懸命に愛を持って生きているんだということまでもを教えられ、このままでいいんだ、それでも生きていこうと背中を押されるオペラでした。
こう言った作品が増えることで、有名な昔のオペラとはまた一味も二味も違う面白さと、あらためてオペラ、クラシックの偉大さを感じさせられ、圧巻の舞台だったことは、言うまでもありません。
私はカルメンが大好きなのですが、オペラでここまで涙したのは、はじめてです。
これからもこの作品を観れる機会が日本に来たらいいなと、切に願いますし、オペラ初心者の方にも、是非観ていただきたい作品です。
それにしても、声の美しさ、迫力。
歌手ひとりひとりの実力はもちろんのこと、人間力の高さも感じました。
声はお人柄やその時の気持ちも出ますので、
不思議ですよね。
長くなりましたが、METライブビューイングのサイトも是非観てみてくださいね!
数時間たった今もまだ、余韻に浸っています。
ということで、今日も読んでいただき、ありがとうございました!